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ここ数日間の長かった毎日。

21日の深夜4:30、オイラのケータイが鳴った。
まずカミさんが飛び起きて、オイラにケータイを渡す。
変な時間にアラームが鳴ったと思い、はっさんが起きると厄介なのでスグに消した。
消す瞬間、弟の名前が液晶画面に映ってた。
カミさん「今の音、電話じゃない?」
オイラ「・・・あー、そうかも。。。。」
そう言われると、外から何か声が聞こえる・・・
現在オイラの住んでる家は、オイラの実家の敷地内に建っており、
ウチの玄関ドアを開けると、共有している庭を挟んで数メートル先に実家がある。
以前、おとんが夜中にこむら返りになって大声を出してて、飛んでったことがあった。
あぁ、またそんな感じか・・・?などと思いながら、
カミさんを残して「ちょっと、行ってくるわ。」と布団を出るオイラ。
階段を下りてって玄関のドアを開けると、オイラの目に飛び込んできたのは路上の救急車。
今にも患者を乗せた担架を運び込める状態だ。
オイラ(とうとう、おかんが呼吸困難になったか!???)
いつかはそうなると思っていたが、直面すると驚きを隠せなかった。
カミさんを呼びに戻ろうかとも思ったが、オイラの足はそれよりも実家に急いだ。
しかし、そのまま実家に飛び込んだオイラが知った事実は、もっとショッキングなものだった。
実家の玄関から廊下が奥まで続いている。
廊下に弟が立っている。
オイラ「・・・おかあさんか?」
首を横に振る弟。
弟「・・・・おばあさんが。」
廊下のさらに奥は、風呂場につながっている。
オイラが廊下を奥まで進んで行くと、脱衣所に裸で横たわるお婆ちゃんの頭が見えた。
救急隊員がAEDをやってるようだ。
おとんが別の隊員に状況を説明している。
オイラは冷静になって考えた。
こんなおかしな時間に婆ちゃんが風呂に入るはずがない。
ということは、夜に風呂に入ってから、今までずっと風呂にいたってことだ。
AEDをやってるってことは、心停止だ。
心臓が止まったまま数時間が経過している。
しかもこんな寒い季節に数時間、風呂場にいた。
オイラは、まだ布団の中にいるであろうカミさんに電話をかけた。
オイラ「おばあさんが・・・死んだ(かも知れん)・・・。・・・こっち来て。」
夜中、4時過ぎにトイレに起きたおとんが第一発見者らしい。
風呂の明かりが点いていたので、不審に思い、覗いたところ、
婆ちゃんが湯船に浸かったまま、すでに硬くなっていたらしい。
最後に喋ったのは弟だ。
11時半頃に「風呂空いたで~。」と言ったら、婆ちゃんは返事をしたらしい。
ただ、すでに寝床に入っていたらしく、顔は見てないとのこと。
脱衣所にはきちんとパジャマが準備されていた。
いつも腰が痛いと言っていた婆ちゃんは、風呂上りにトクホンを貼る。
オイラが社内販売で少しだけ安く買えるトクホンを、いつもありがたがって使ってくれていた。
そのトクホンもパジャマの横にきちんと準備してあった。
寝床も、昔オイラが使わないからあげた電気毛布のスイッチが入れてあった。
婆ちゃんの突然の死は、オイラにとってもカミさんにとってもショックだった。
家族全員にとってもショックだったに違いない。

おかんがALSになって、家事が出来なくなり、洗濯も掃除も婆ちゃんがやってくれていた。
マルチーズのミヨちゃんの世話でさえ、婆ちゃんに頼りっぱなしだった。
高齢で腰の曲がった婆ちゃんにかなり負担がかかっていたことは、みんな解っていた。
なのに、おかんは好き勝手なことばかり言うし、おとんは婆ちゃんに怒ってばかりだし。
婆ちゃんのストレスはオイラたちの想像を超えていたかも知れない。
そんなストレスを唯一解消できるのが、お喋りだった。
とにかく喋るのが好きで、周りがうるさがっても黙らない人だった。
オイラや弟は慣れたもので、婆ちゃんが喋るのを聞いてるといつまでも終わらないので、
喋ってる途中でも席を立つんだが、カミさんはまだそれが出来ないらしく、
婆ちゃんのお喋りによく付き合わされていた。
喋るのが好きというだけあって、その話術は大したもので、それなりに内容は面白く、
聞いていて飽きないんだが、最後まで聞いてるとすごい時間を取られてしまうのが難点。
カミさんはそれでも婆ちゃんの話を毎日聞いては、毎晩オイラに報告してくれていた。
そして、そんな婆ちゃんはかわいくて、カミさんもオイラも大好きだった。
そんな婆ちゃんがいなくなると、さみしいだけじゃなく、家事のことなど考えると痛手だ。

AEDがムダだとわかり、救急車は空っぽで帰っていった。
やがて警察と医者が来て、死因と死亡推定時刻を決定した。
それが終わる頃には、親戚も集まって、葬儀の打合せが開始された。

オイラはどうしても代理のきかない仕事で、半日だけ出社した。
仕事中、初めて婆ちゃんにオイラの仕事を見てもらってる気分で働いた。

それから仮通夜、次の日は通夜、その次の日は告別式、と長い葬儀の日々が続いた。
ここ数年、ホントに何度も葬儀を経験して、もうずいぶん慣れてきたとこだけど、
まさかウチでお葬式をやることになるなんて思わなかったな・・・なんて、
葬儀の最中、カミさんと話した。
土曜日は、本来ならお爺ちゃんの27回忌法要をやるつもりで色々準備していたのだが、
奇しくも自分のお葬式になるとは思いもよらなかったところだっただろう。
本当に元気で、前日まであちこちでお喋りしていたみたいで、弔問に来る人来る人、
みんなが「あんなに元気やったのに。」とか、
「こないだお話してたとこなのに。」って言ってくれてました。

菊枝お婆ちゃん、享年84歳。
おしゃれで美人でお喋りな楽しい婆ちゃんでした。
ちょうど27年前の今頃亡くなった爺ちゃんと、天国で仲良く暮らしてね♪

追伸
婆ちゃんがいなくなってからの家族は、少しずつだけど、ちょっとみんな、
家事をやるようになりました。
婆ちゃんがいる間に、そうなることはやっぱムリだったのかなぁ・・・
Commented by 琵琶湖猿 at 2008-02-26 19:57 x
おばあちゃんかぁ。。。
俺ももう、10年以上前におばあちゃんがなくなったときはしょっくやった・・・
うちの時は、すでに病院に入院してはって、おぼろげながらも覚悟ってのがあったんやけどね、、、

色々大変やろうけど、気を落としすぎないようにね・・・
おばあちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。
Commented by らいよん at 2008-02-26 21:27 x
最近書き込みがないな・・・と心配してました。

おばぁちゃんは死んでいないです。

死んだと思ったら死にますが、活かそうと思えば生き続けます。

おじいちゃんと共に、にがさんと生き続けます。

色々と後悔するかもしれませんが、それは家族にみんなに対するおばあちゃんのプレゼント。

そうやって少しづつでも活かしてあげればおばあちゃんは生き続けるんだと思います。

最初は目に見えないからさみしいかもしれませんが、しばらくして落ち着いたら、おばあちゃんがそこにいる事に気づけると思います。

野に咲く花、山、川、はっさん。

みーんなおばあちゃんです。

元気を出して下さい。







Commented by 凛太郎 at 2008-02-26 22:23 x
まずは、謹んでおばあさまのご冥福をお祈り申し上げます。
突然のことで、さぞかし驚かれたことでしょう。大変でした。
これ以上言葉は持ちませんが、素敵なおばあさんだったのですね。おばあさんという人はいつだってみんなの味方です。これからは空の上からやさしく見守っていてくれるに違いありません。
どうぞ安らかに。
Commented by アトリエさくら at 2008-02-26 23:39 x
なんといってお声をかけたらいいのか・・・。
元気出してくださいね。
おばあさまも素敵な家族に囲まれて、きっと楽しく
幸せな人生だったはずです。
おばあさまのご冥福をお祈りいたします。
Commented by ピンキー at 2008-02-28 00:30 x
この度は大変な状況にあったみたいで。
ご冥福をお祈りします。
でも、こうやって優しいおばあちゃんだった、と思えた部分は
きっと伝わってると思われるし、また良い話相手が出来て
楽しかったのかもしれないし。
ただ、生きてる間はいつも居る人が当たり前のように居るって
感覚はなくすようにしてるけど、それがなかなか出来ない。
居なくなって本当に心に入って実感する。
人の死というのは色々考えさせられるもんやな~・゜・(つД`)・゜・
Commented by pandax30 at 2008-02-28 12:35
>琵琶湖猿さん
>らいよんさん
>凛太郎さん
>さくらさん
>ピンキーさん
みなさん、ご心配をおかけしました。
温かいお言葉、ありがとうございます。
元気出していきますので、よろしくお願いします。

まとめてレスという形で失礼しました。
手抜きでごめんなさい!
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by pandax30 | 2008-02-26 01:39 | Comments(6)